2014年05月03日

もう時間がない

「トムは真夜中の庭で」フィリパ・ピアス作 高杉一郎訳 (岩波書店)を読みました。
イギリスのファンタジーの古典といわれる作品です。小学生のころ読んだ記憶があります。

児童文学者協会茨城支部の課題本になったので図書館で借りてきて読みました。岩波少年文庫で出ていますが、図書館には「世界児童文学集」のケース入りのものしかありませんでした。

時計が13回鳴ったとき、不思議な庭園に導かれるという設定。時計と庭園、ハティと同じスケート靴をはいてスケートをする場面は覚えていましたが、そのほかのことは覚えていませんでした。

作者のフィリパ・ピアスは、以前このブログでとりあげた「まぼろしの白い犬」の作者でもあります。「まぼろしの……」はファンタジーではありません。
トムを読んでいたら、わくわくして夢中になってしまいました。最後の場面では涙が出ました。

以前読んだときは気づかなかったのですが、聖書のカインとアベルの話や黙示録に書かれている言葉が出てきたので嬉しくなりました。
黙示録10:6の「もう時間がない」がキーワードになっています。

新改訳聖書では「もはや時が延ばされることはない」と書かれ、共同訳では、「もはや時がない」となっています。

このはギリシャ語でクロノス、経過する時間としての時をあらわします。もはやこれ以上、時間、クロノスは存在しない、つまり終わりが来たということです。

それではいったい何の終わりなのでしょう。
世の終わりのときです。またそれは、あらゆる民族がキリストにあってひとつにされる時です。つまり教会の完成、天にある祝福の時がもはや延ばされることはないというのですから、大いなる慰めと喜びの知らせです。

「トムは真夜中の庭で」の中での「もう時間がない」は、ハティと過ごす時間が少なくなっているという意味だと思いますが、作者は作品を通して聖書の真理を伝えたかったのかもしれません。

わたしはずっと以前からファンタジーの長編を書きたいと思っていました。実際何作か書きました。でも、読者に伝わらないのでした。想像力、表現力の乏しさに限界を感じ、しばらくの間ファンタジーを書くのをやめていました。

ファンタジーは歴史小説のように膨大な資料を調べたりする必要がないので簡単なように思えますが、頭の中で描いた世界を文字を使って読者に同じような情景を思い浮かべてもらうためには、リアリズムの作品より技術が必要なのです。その技術が不足しているため、ひとりよがりの作品になっていました。

わたしは頭の中で映像でファンタジーの世界を見ているのですが、それをどのようにして書き表わしたらよいかわからないのです。
でも、祈りながら書き続け、神さまが力を与えてくだされば、いつかは書けるかもしれないと希望を持っています。
posted by 土筆文香 at 20:55| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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