2014年03月13日

「殺人者の涙」を読んで

明日は児童文学者協会の茨城支部3月例会です。今回の課題本は「殺人者の涙」アン=ロール・ボンドゥ作 伏見操訳 小峰書店です。

チリの最南端、さいはての地に建つ一軒の家にアンヘルという名の殺人者がやってきて、そこで暮らしている夫婦を殺してしまいます。子どものパオロは殺さずに、一緒に暮らし始めます。

最初の殺人のシーンがショッキングすぎて、なかなか感情移入できませんでした。
寒々とした気持ちで読んでいましたが、しだいに物語に引き込まれました。

アンヘルはパオロと暮らすうちに変わっていきます。パオロに愛情を抱くようになるのです。
一方パオロは両親を殺したアンヘルのことを憎みもせず、その事実をしっかり受け止めています。

最初、パオロがなぜ両親を殺したアンヘルを恨まなかったのか不思議に思いましたが、そこは誰一人やってこないような土地です。アンヘルがいないと生きていけなかったから、パオロには選択枝がなかったのだと気づいて納得しました。

しばらくして、ルイスという旅人がやってきて隣で暮らし始めます。ルイスはパオロとアンヘルに文字をもたらします。
その後旅に出て、アンヘルがかつて殺した家族の生き残り、きこりのイカルドと出会います。イカルドは音楽をもたらすのです。

アンヘルはパオロという愛する存在を得、文化や芸術に触れて、すっかり変えられました。でも、犯した罪は消えず、結局死刑になってしまいます。
死刑制度廃止のことが作者プロフィールに書かれていましたが、どんなに重い罪を犯した人でも人は変わると訴えたかったのでしょう。

確かに人は変わりうるものです。
しかし、他者への愛と文化、芸術だけでは足りない気がします。
アンヘルに心からの罪の悔い改めがあったでしょうか。

けれども、イエス・キリストを信じたら、人は根底から変えられます。キリストにあって、とりかえしのつかない罪はないからです。

posted by 土筆文香 at 17:16| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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