2014年06月17日

カイザルの前に立つとき


一昨日の礼拝メッセージは、使徒の働き27章から語られました。この章にはパウロがローマにおくられるときの船旅のようすが詳しく書かれています。

2000年前の船がどのようなものだったかわかりませんが、航海には危険が伴うものです。
地中海は冬季の嵐のため、11月から3月までは航海が閉鎖されていました。この時は、10月であっても航海の危険な時期でした。

でも、船長たちは冬を過ごすのに適当な港へ行くと言って、パウロが危険だと言うのを無視して出帆しました。パウロにはたくさんの航海の経験があり、難船したこともあったので、危険を察知していたのですが、聞き入れてもらえませんでした。

まもなく船は暴風に巻き込まれ、漂流することになりました。
聖書には「吹き流されるまま」(15節)、「積荷を捨て始め」(18節)、「太陽も星も見えない日が幾日も続き」(20節)、「激しい暴風がふきまくる」(20節)、「助かる最後の望みも今や断たれようとしていた」(20節)、「長いこと食事をとらなかった」(21節)と書かれています。

船に乗っているほとんどの人たちは、助かる望みを絶たれ、食事をする元気さえなくなっていたようです。

そんな中、パウロは力強く語りました。「元気を出しなさい」(22節)「いのちを失う者はひとりもありません」(22節)「私たちは必ずどこかの島に打ち上げられます」(26節)「食事をとることを勧めます」(34節)

なぜパウロはそのように言えたのでしょうか。それは神様の声を聞いたからでした。
神様はパウロが必ず助かって、カイザルの前に立つときがくると約束してくださいました。

神様の約束は反故にされることがありません。神の言葉を信じたパウロは、絶望している人たちを励ますことができたのです。

実際、船は900キロも流されましたが、マルタ島に漂着しました。いのちを失った人はだれもいませんでした。

「絶望したとき、神の言葉を待ち望むことが大切です」と牧師先生が言われました。

わたしは、メッセージを聞いて、それが自分に語られているように思い、胸騒ぎがしました。
「約束が遂行されるときがくる。そのとき、あなたはカイザルの前に立つ。そのときは恐れずに信仰の証しをしなさい」と、神様が語りかけてくださったのです。

約束とは何か、カイザルとは誰なのか、はっきりわかりませんが、心に留めたいと思います。
posted by 土筆文香 at 15:58| 聖書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月14日

笑い上戸(その2)


 さやかは亜佐美に背を向けてむっつりしていたが、ようやく口を開いた。
「わたしを笑わせたら、劇に出てもいいよ」

(やった!)亜佐美はガッツポーズをした。
「アルミ缶の上にあるみかん。ふとんがふっとんだー。内臓がないぞう。梅はうめえ」
亜佐美はさやかを笑わせようと必死だ。
「猫が塀から落ちた。へえっ!」
さやかは二コリともせず、すましている。

(ヤバイよ。さやかが笑わなかったら、あたしが笑い上戸の役をやらなきゃなんない)
 翌日、亜佐美が笑い話のネタをいくつも考えて学校へいくと、さやかは学校にきていなかった。今まで休んだことがなかったのに。

 放課後、亜佐美はさやかの家に向かった。商店街の外れの細い路地裏をいくと、トタン屋根の平屋が並んでいた。一軒の家から五歳ぐらいの男の子が泣きながらとびだしてきた。

「待て、こら。逃げる気か」
 耳が痛くなるほどの声がして、父親らしき男が追いかけてきた。片手に酒瓶を持っている。亜佐美は思わず電信柱の陰に隠れた。
 男の子は顔をひきつらせてじっとしている。男は、子どもの襟首をつかんだ。

「やめて!」
そのとき、聞き覚えのある声がした。さやかだ。さやかが裸足でとびだしてきて男の子をかばうように抱くと、
「お父さん、サトルは悪くないでしょ」
といって、父親から酒瓶をとりあげ、男の子と一緒に家の中にもどった。

「こら、酒持っていくな!」
 父親の叫ぶ声のあとに、ケタケタケタとさやかのいつもの笑い声が響いてきた。

「アーハハハハハ、酒瓶がころがってる」
「ハッハッハッハッ」
「フフフフフ」

 父親と男の子の笑い声も聞こえた。亜佐美は声も出なかった。しばらく玄関の前に佇んでいると、さやかが気づいて顔を出した。
「亜佐美……」
 さやかはきまり悪そうな顔をした。
「今日休んだから、どうしたかと思って」
「ちょっと待って」
 さやかはくつをはいて出てきた。ふたりは日の当らない路地を並んで歩いた。

「母さんが家出してから、父さんはお酒を飲むたびにサトルをたたいたり突き飛ばしたりするの」
さやかは下唇を噛んで地面をみつめた。

「わたしが面白いことをみつけて笑うと、父さんやサトルも笑って、平和になるんだ」
「それじゃ、学校で大笑いしてたのは……」
「つらいことを忘れるためだったの。ほんとはちっともおかしくなかった。でも、笑ってないと不安でたまらなくなるから……」
さやかの目からポロッと涙がこぼれ落ちた。
「……ごめん。王女の役はあたしがやるよ。死ぬ気でやればできるさ。ハハハ」
 亜佐美は作り笑いをした。

「そんな笑いじゃだめ。こうするの。ワーハハハハハ」
さやかはおなかをかかえて笑った。

「あっ、笑っちゃった。わたしの負けだね。劇に出るよ。出たら、心から笑えるようになれるかもしれないし」
といってまた笑った。
亜佐美もつられて笑った。心の棘が溶けていくような気がした。

                          おわり
posted by 土筆文香 at 21:02| 童話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月13日

笑い上戸(その1)

久々に創作童話を掲載します。
原稿用紙7枚の作品を2回にわたって連載します。
感想を聞かせてくださると嬉しいです。


          
笑い上戸(その1)

                                            土筆文香

アーハッハ イーヒッツヒ ウーフッフ
今朝も五年三組の教室は笑い声にあふれていた。さやかはハンカチで涙を拭きながら、おなかをかかえて笑っている。
「何がそんなにおかしいんだよ?」
 遅れて登校してきた亜佐美が、さめた目でさやかをみた。
「えっと、何がおかしかったんだっけ……忘れちゃった。アーハハハハ」
 
さやかは忘れたことがおもしろくて、また笑った。亜佐美はあきれながらも自然に顔がほころんでくるのを感じた。
さやかは一日に何回大笑いするんだろう。鉛筆が転がっただけで笑うのだからおめでたい性格だ。きっと何の悩みもないんだろうな。
亜佐美はいつも怒っていた。何をしていても両親から「勉強は?」といわれる。いい返せば「いいかげんにしなさい」としかられる。ちっとも話を聞いてもらえないのでふてくされ、まるで心に棘が生えたようになってしまった。
 秋の学芸会で三組は劇をすることになった。

 脚本は作家志望の棚橋さんが書いた『ジャックと笑う王女さま』笑い上戸の王女が主人公で、王女の笑いを止めた男が王女と結婚できるというストーリーだ。

 亜佐美は、笑い上戸の役にさやかを推薦し、クラス全員が賛成した。
「それでは、王女の役は柿本さやかさんに決定しました。柿本さん、いいでしょうか」
 学級委員の中本君がいった。 
また大笑いするだろうと、亜佐美は隣の席のさやかを横目でみていた。さやかは笑わなかった。こわばった顔で返事もせずにじっと机の角をみている。こんな顔のさやかをみたのははじめてだ。

「返事しなよ。さやかにぴったりの役だよ」
亜佐美がささやくと、さやかは口を一文字に結んで首を横にふった。
「どうする、大木亜佐美。柿本がやらないなら、お前やれよ」
「何であたしがぁ。じょうだんじゃない」
 亜佐美はげんこつで机をたたいた。
「推薦したんだから、責任持てよ」
 中本君がいうと、

「そうだ、そうだ。柿本がやらないんだったら、大木がやればいい」と声が上がった。
「それでは、主役は大木さんがいいと思う人」
 いっせいに手が挙がった。
「多数決で主役は大木さんに決まりました」
「多数決で決めるなんて、反対」
 亜佐美が中本君をにらんだ。

「やりたくないんなら、柿本を説得しろよ」
 中本君がいうと、また「そうだ、そうだ」の声が上がる。
「みんなもそう言ってるから、決定します」

大勢の人の意見が正しいとは限らないのに何でも多数決で決めるやり方に亜佐美は腹を立てた。
こうなったら何としてもさやかに主役をやってもらうしかない。

 次の日、亜佐美はさやか顔をみて驚いた。唇がへの字になっている。笑ってないときでも、いつも微笑んでいたのに……。
「さやか、劇に出たら学校中の人気者だろ」
亜佐美は一生懸命さやかをおだてた。
「さやかほどいい笑い方をするヤツはいないよ。いつもつられて笑っちゃうし」
posted by 土筆文香 at 19:58| 童話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月10日

選びとは

キリスト教では、「信仰を持つようになったのは、神様がわたしを選んでくださったからです」と言うのをよく耳にします。

たくさんある宗教をひとつひとつ詳しく調べて、どれがよいか自分で選んでキリスト教を信じることにしましたと言って洗礼を受けた人の話は聞いたことがありません。

選ばれるとはどういうことなのでしょう。選ばれなかった人はどうなるのでしょう。果たして自分は選ばれた人なのでしょうか……。と疑問を持つ人もおられるでしょう。

聖書を読んでいると、神様はご自分をあらわす(啓示する)神様だということがわかります。神様はご自分のことを「わたしはある」と自己紹介されました。

「わたしは、『わたしはある。』という者である。」(出エジプト3:14)

つまり、神様は存在する者であるということ。そして、アブラハムを選んで声をかけられたように、選びの神様であることがわかります。

「あなたがたがわたしを選んだのではありません。わたしがあなたがたを選び、あなたがたを任命したのです。(ヨハネ15:16)」

けれども、自分が素晴らしいから神様が選んでくださったと思ったとしたら、それは大きな間違えです。

アブラハムもモーセも神様から選ばれた者ですが、彼らの能力や性格によって選ばれたわけではありません。
むしろ、選ばれるのに値する人間ではないのに選んでくださることがすごいことだと思います。
そして、選んだ人が失敗したり、間違った道を歩んでしまっても神様は決して見捨てないと約束してくださっているのです。

わたしは「こんな弱くて、何のとりえもないわたし、どうしようもないわたしを選んでくださってありがとうございます」と神様に言っています。

ブログを読んでくださっているあなたへ

神様はあなたのことも選んでおられます。神様はあなたのことを愛しておられるからです

日本クリスチャン・ペンクラブのHP更新しました。ぜひご覧ください。
posted by 土筆文香 at 16:58| 聖書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月06日

神様は不公平ですか?

音をたてて雨が降っています。暑い日が続いていたので、嬉しい梅雨入りとなりました。

「信仰を持つとはどういうこと?」と聞かれることがあります。
水曜礼拝で、「神の語りかけを聞いて応答することが信仰を持つということです」と教えていただきました。

神の語りかけとはどういうことでしょう。信じている人には神の声が聞こえるのでしょうか……。そうではありません。
それなら、どのようにして神様は語りかけてくださるのでしょうか。そして、応答するとはどういうことなのでしょう。

人が生まれつき備わっているものや、自分で選んだり変えたりすることができないまわりの環境が、神からの語りかけになっているそうです。
この時代に日本人として生まれたこと、女性であること、両親、容貌、生まれつきの性格など……。

かつてわたしはすべてがいやで文句ばかり言っていました。とくに体が弱いことが不満でした。聖書に書かれている神の存在は知らなくても、大いなるものの存在は感じていましたから、そのお方に不平を言っていました。
他の人と比較して、自分が持ってない健康、容貌、能力が羨ましいと思い、「神様は不公平だ」言っていました。

聖書に示され、わたしを造ってくださった神様がどんなお方かわかったとき、神様はわたしにふさわしい要素を生まれる前から備えてくださったのだと知りました。どんな要素にも目的と意味があるのです。
たとえば、生まれつき体が弱いことは、じっとして体を休める時間が長いことによって、物事をじっくり考える習慣がつく。神様のしてくださったことをゆっくり思いめぐらすことができる。

いろいろな病気で苦しむことによって、病で同じような苦しみの中にある人を慰めることができるなど……。
神様は、マイナスと思われる要素でさえ、よいことのために備えてくださっているのです。

「私たちは神の作品であって、良い行いをするためにキリスト・イエスにあって造られたのです。神は、私たちが良い行いに歩むように、その良い行いをもあらかじめ備えてくださったのです。(エペソ2:10)」

置かれた環境や毎日起きる色々な出来事、ほんのささいな日常の出来事の中にも神様からの語りかけがあります。
それを見逃さないようにしてしっかりと聞き、応答していきたいなあと思いました。

「それはあなたが私の内臓を造り、母の胎のうちで私を組み立てられたからです。私は感謝します。あなたは私に、奇しいことをなさって恐ろしいほどです。私のたましいは、それをよく知っています。私がひそかに造られ、地の深いところで仕組まれたとき、私の骨組みはあなたに隠れてはいませんでした。あなたの目は胎児の私を見られ、あなたの書物にすべてが、書きしるされました。(詩編139:13-16)」
posted by 土筆文香 at 16:09| 聖書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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